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2011年12月17日 (土)

漢語2・・・「肉」の音読み訓読み

   

今日は12月16日。

前投稿のつづき。

「敵(てき)」「肉(にく)」は漢語とのこと。その読みはしかし訓読みでは?

その疑問を調べてみました。

ビックリ。

「敵」を「てき」と読むのも、「肉」を「にく」と読むのも、音読みでした。

「敵」の音読みは「テキ」、訓読みは「かたき」でした。

「肉」の音読みは「ニク」、訓読みは、馴染みはあまりありませんが「しし」でした。

「テキ」も「ニク」もまるで訓読みのように使ってきました。

   

もう少し「肉」にこだわってみました。

「しし」と読む時はどんな時でしょうか。

よく太っている肉のことを「太り肉」と書いて「ふとりじし」と読むそうです。

「腹に肉が付く」と書くと、「にくがつく」と読みたくなりますが、「ししがつく」とも読むようです。

※参考http://dictionary.goo.ne.jp/leaf/jn2/96062/m0u/%E3%81%97%E3%81%97/

Wikipediaによると、日本語では古来、

食肉を産する獣そのものも含めて「しし」と呼んでいましたが、

漢語の「にく」に完全にとって代わられたそうです。

したがって「しし」はあまり見かけないのです。

でも名残りはあります。

イノシシのことを昔は「ゐ」と言っていました。

「ゐの肉」のことを「ゐのしし」と言って、いつしか動物名にもなりました。

同じようにシカのことを昔は「か」と言っていました。

「かの肉」のことを「かのしし」と言っていましたが、この言葉は廃語になったそうです。

「しし」のみでシカを表した時期があったようで、

「ししおどし」は「鹿威し」が語源だそうです。

015-shishiodoshi
http://www.kenchikuyogo.com/212-shi/015-shishiodoshi.htm

漢字を「肉」ではなく、「宍」を使って名前に使われることはあります。

「肉」の異体字が「宍」です。

※異体字=読みや意味は同じであるが、形が違う字。

    

もう一つ「肉」の訓読みを見つけました。

「常用字解」(平凡社)によると、

肉の音読みは「ニク」「ジク」、訓読みは「しし」と「はだ」でした。

    

さらに次のサイトに面白いことが書いてありました。

「ことば会議室 肉の訓読み」html

辞書によっては、「肉」の音読み「ニク」だけでなく、訓読みにも「にく」と書いてあるそうです。

これは「ニク」という音読みが生活に密着した結果、漢語の意識が薄れ、

和語に準ずると辞書の編者が判断した結果と思われます。

「菊(キク)」「絵(エ)」「幕(マク)」「象(ゾウ)」も、辞書「大字源」には、

これらの読みが、音読み訓読み両方に書かれているそうです。

「肉」と同じ流れだと考えられます。

音読み→訓読みへと移行する現象を、今回「肉」の読みにこだわったことで初めて知りました。  

これが最大の収穫。  

    

国語の教科書で、漢語の代表として「肉」が出されていますが、

本当に適切なのか疑問が残ってしました。まぎらわしいですよ。 

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コメント

こんばんは。お久しぶりです。

僕も昔「肉」は訓読みだと思っていて音読みは何だろうって
ずっと悩んでいました

本当に ビックリ ですね。
驚きました。

Nayutaくん、コメントをありがとう。
肉の音読みでずっと悩んでいたなんて、Nayutaくんならではですね。
悩みの解消に役立って良かったです。

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