「ら」抜き言葉の発祥の地は・・・
先日から関心をもっている「ら」抜き言葉。
勤務校の教頭先生の専門が国語なので話をしていたら、
上の本を紹介してもらいました。
「日本語は年速1キロで動く」(井上史雄著/講談社現代新書)
拾い読みしたところ、面白い。
さっそくこの著者が書いている他の本を市の図書館に行って借りてきました。
その結果知ったことをこのブログに書こうと思います。
いつものように、血や肉になってほしいためです。
テレビやラジオの発達で、標準語が広まり、
地方独特の方言は衰退しているととらえがちです。
私もそうです。
ところが方言はしぶとくて、変化しながら広がっていくという発想を
井上さんは持っています。
「ら」抜き言葉もその一つと考えています。
地方で生まれた方言はしだいに広がって東京にまで伝わります。
その速さは、年速1㎞ほど。ゆっくりです。
そして一度東京都区内に流入すると、全国に波及します。
「ら」抜き言葉について井上さんはこう書いています。
「ら抜きことば」の「見れる」「受けれる」などは、
明治初期に愛知県などで使われていたことが分かっており、
その後中部地方を経て東京に入ってきたと思われる。
100年ほどの間に300キロほど広がったことになる。
年速3キロ。(26p)
「ら」抜き言葉のように、地方の方言が東京に入ってくるのは、
標準語が地方に広がるのと比較して、「逆流」と表現しています。
方言が東京に逆流してくると、
「ことばの乱れ」として非難・攻撃されそうな現象が起きるようです。
「ら」抜き言葉も非難されています。
気になるのは、「ら」抜き言葉を使っていた地方が愛知県だと指摘されているところ。
まさに私が住んでいる愛知県。
それも愛知県東部が「ら」抜き言葉の発祥の地のようです。
ここですよ、ここ。
確かに会話の中には「ら」抜き言葉がよく出てきます。
「今日来られますか?」というのを、
ここらでは「今日は来れる?」と平気で聞いています。
「来れる」なんて、標準語だと思っていました。
「ら」抜き言葉発祥の地の人間が、
「ら」抜き言葉に悩んでいる(悩んでいないか~)わけで、
あまり冷静には語れないよなと思いました。
最近よく聞く「うざい」のルーツも面白かったです。次の投稿で。
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