宮沢賢治「いちょうの実」
学校の図書室で見かけた本。宮沢賢治の本です。
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「いちょうの実」
ギンナン拾いをやってみたいと思っていた私の目に入ってきました。
宮沢賢治の作品と知って、こういう作品も書いているんだと思いながら読み始めました。
お母さんの木から、ギンナンの子どもたちが間もなく旅立つ時の会話。
お互いに相手をいたわる言葉をかけあうギンナンの子どもたち。
この会話が心地よかったです。
「落ちる途中で眼がまわらないだろうか。」
「よく目をつぶって行けばいいさ。」
「僕、靴が小さいや。面倒くさい。はだしで行こう。」
「そんなら僕のと替えよう。僕のは少し大きいんだよ。」
お母さんにもらった外套をなくしたギンナン。
「困ったわ、わたし、どうしてもないわ。ほんとうにわたしどうしましょう。」
「わたしと二人で行きましょうよ。わたしのを時々貸してあげるわ。
凍えたら一緒に死にましょうよ。」
最後の引用の部分ではドキッとさせられました。
宮沢賢治にとって死は身近なんだろうな。
「一緒に死にましょうよ」
心地よく読んできて、ラストにこの言葉。心に残ってしまいました。
死を、生活の中に受け入れざるをえない時代でもあったのでしょう。
また図書室に戻しておこう。
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