山本一力さんの講演/仕事の本分/ツキのない人が上に座ると・・・
今日は8月2日。
7月29日に作家の山本一力さんの講演を聴きました。
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以前山本さんは添乗員の仕事についていた。
先輩から、添乗員の本分は何かと尋ねられた。
答えられないでいたら、先輩が教えてくれた。
笑顔でやってきたお客さんを、
笑顔のまま連れ帰るのが添乗員の本分であること。
他のことは付けたしであるといった話でした。
【本分】=人が本来尽くすべきつとめ
本分から外れると、いいわけが多くなる。
なぜこういうことをするかというと、こうだからといった具合にいいわけをする。
本分から外れているので、自分で理由を作らないといけないからです。
そのいいわけが議論になると、本分からより外れていく。
大震災以後本当にやらなくてはならいないことは、瓦礫を撤去することである。
瓦礫に囲まれているところで、住民は将来の夢を語れない。
それが今の本分。
なのに、撤去は進まず、議論・関心は他のことに移っている。
残念なことだ・・・・と山本さんは言う。
教師の本分は何か考えさせられました。
子どもに教えること。
何を?
「受け継がれてきた伝統」「人を大切にすること」
そりゃそうだけど、それらを教えることで、
子どもたちが将来、元気に生きることの助けになるはずです。
シンプルにいきたい。
子どもたちを元気にすること。
これが、教師のやっていることの最終目標に思えます。
教師の本分です。
今、元気にすること。
将来、元気に生きていくためのささやかな助けをすること。
だから教師は工夫をし、努力する。
だから教師自身も元気でなくてはならない。
講演の最中から考えていたことを、この投稿で結論づけることができました。
山本一力さんの話で、印象に残った話をもう一つ。
「ツキのない人が上に座ると世の中はくちゃくちゃになる」
と言われました。
例に出したのが、江戸幕府5代将軍徳川綱吉。
将軍在位は1680(延宝8)年~1709(宝永6)年。
治世がうまくいかなくなったら、ツキのある人ならクビになって辞められる。
ツキのない人は辞められない。その結果、世の中がくちゃくちゃになるというわけです。
綱吉は辞められなかった。
そして、在位期間中にいろいろな天災人災に見舞われる。
生類憐みの令、貨幣改鋳などの悪政をする。
赤穂浪士の討ち入り後の処分も、
綱吉治世の時なので、問題の残るものとなってしまう。
元禄の最後には元禄地震(マグニチュード8.1)が起こる。
うまくいかないからと何をしたかというと、元号を変えた。
「元禄」を「宝永」にする。
しかし、くちゃくちゃは止まらない。
宝永4年10月4日(1707年10月28日)に宝永地震が起こる。
マグニチュード8.4ー8.7。
東北地方太平洋沖地震が起こるまでは、
記録に残る日本最大級の地震とされてきたもの。
山本さんの故郷、高知(土佐)の浦戸湾に面した種崎(たねざき)村に23mの津波が襲い、
多くの犠牲者が出て、今に至るまで語り継がれているとのこと。
地震の49日後に起きたのが、富士山の宝永大噴火。
(この噴火以後、富士山は噴火していない)
(昨日のドラマ「水戸黄門」で三島から見た富士山が出ていました。
しょうがないことですが、その富士山には宝永山や宝永噴火口がありました。
光圀が亡くなったのは1701年だから、
当時の富士山にはないものがうつっていたわけです)
http://masayama.blog40.fc2.com/blog-entry-176.html
綱吉は宝永6年に病死。やっと将軍を辞められた。
山本さんは、菅首相もツキがない人だと評する。
周りの人たちも辞めさせられないと批判する。
任命されて大臣をやっているなら、言うことを聞かないといけない。
いやなら辞めて、文句を言えばいいとのこと。
これは海江田経済産業大臣を指すのかと思って聞いていました。
歴史小説の作家の言ったことだったので、説得力がありました。
「ツキのない人」と綱吉や菅首相を表現するところが面白いと思いました。
「ツキ」は存在するのです。私もそう思います。
今「ツキ」があると思えば進む。ないと思えば休む。
「子どもはしなやか。そうさせないのは、馬鹿ったれの大人」と山本さん。
大人の視点で動いて、子どものしなやかな動きを封じていないかチェックしなくては。
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