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2021年11月18日 (木)

「平将門4」読破/海音寺潮五郎の力作を読み切ったぞ

    

今日は令和3年11月18日。

   

修学旅行で泊まった晩も、寝る前に部屋で読んでいました。

修学旅行から帰った昨晩、ついに読み切りました。

 

「平将門4」(海音寺潮五郎著/朝日新聞社)

  

全4巻を読破しました。

この本を読むきっかけは、この記事に書きました。

ここでも道草 本「落花」を読みました(2021年9月25日投稿)

「海音寺将門の台詞の妙!」というものを味わいたくて読みました。

 

味わいました。

台詞(せりふ)が流暢で、そして長い。

どこをとってもそうであるので、例えば引用してみようと思えば、

ぱっと開いたページに引用したい台詞はあります。

実際、やってみます。

   

小次郎将門が新皇になったことを咎(とが)めに来た

弟の四郎将平に対する台詞です。

   

「待て待て。そなたは先刻から妙なことを言う。おれが誰かにおだ

てられていると申しているようだが、おれは誰のさしずも受けてお

らぬ。おれはおれ一人の判断で乗り出したのだ。およそ八州の地に

おれにさしずし得る誰がいると思うのだ。陣中に来てそんなことを

申してもらっては、兵士等の心をまどわすことになる。つつしんで

ほしい。もう決して申してはならん。また、そなたは戦はおそろし

いことだといったが、朝廷の政治はおそろしいとは思わないのか。

これは天下を大鍋に入れて烈火でいり上げているのだ。これにくら

べれば戦のおそろしさなど軽いものだと、おれは思っている。まし

てや、こんどのことは朝廷の力を坂東から叩き出すための戦さだ。

難病治療のための灸をしていると考えてほしいぞ。景行卿もそなた

もいつも書物ばかり読んでいるのじゃが、こんなことくらい昔の書

物にもありそうなものだと思うがの」

(72p)

   

こんな感じです。

最も口下手な小次郎将門ですら、こんな台詞を言ってしまうのです。

     

 

全巻読み終えた後に、長いあとがきが書いてありました。

そこを読むと、この「平将門」が完成するまでには、

紆余曲折があった模様です。

   

共産党の雑誌に連載が始まったのが最初であったが、

その雑誌社が倒産してしまったので中断。

新聞小説で再び連載がスタートしたが、

長編だったので、編集者から中断要請がありました。

中断したところ、新聞読者からのお叱りの言葉が届き、

再び連載が始まって、この大長編は完成したそうです。

そのあとがきから引用します。

  

かくて、翌年(昭和31年)の4月から、再び稿をおこして、延々

540回、通算して905回の大長編となった。一体にぼくのもの

は長くなるのであるが、この作品ほど長いものはない。すべてこれ

読者の声援のたまものである。新聞小説は作家と読者との合作であ

るという説があるが、この小説においてはまさしくそうであった。

(290p) 

   

その大長編を読み終えて、達成感があります。

   

新聞小説で人気があった「平将門」ですが、

単行本としてはなかなか売れなかったそうです。

でも今度こそ売れるぞと思っています。

   

ぼくは今年数え年70です。もう余命10年はおぼつかない。はば

かりなく言わせてもらいます。この小説は歴史文学に全生涯を捧げ

た海音寺潮五郎という作家が、せい一ぱいの力をふりしぼって書い

て、自分では先ず先ず成功したと信じているものです。読者よ、お

読み下さった上で、ぼくという作家を品隲(ひんしつ)して下さい。

(中略)

昭和45年3月7日払暁

                        海音寺潮五郎 

(291p)

「品隲」は「品定め」の意味。

全4巻を読んで、とても面白かったです。

戦の描写や、男どもの駆け引きなど特に面白かったです。

ただ女性の描き方に違和感がありました。

現在と違って、一夫多妻制に近い世の中であり、

それにそって書かれているからでしょうか。

戦があれば、女性はひどい目に合わされるのは

ならいだったのかもしれませんが、  

その描写が詳細すぎました。

そして女性の打算についても、リアルでした。

どの男につくかを女性が練っていました。

打算がなかった女性は、将門の正妻である良子ぐらいでしょうか。

海音寺潮五郎さんが「平将門」を書かれた時代の、

女性への見方も影響したのかもしれません。

現在の作家だと、女性に遠慮して描かないようなことを

描いているのかもしれません。

海音寺潮五郎さんは昭和52年に76歳で亡くなっています。

16年間ほど時代を共有した身としては、

心当たりがあることです。

 

とにかく全4巻を読み切り、こうやって記事にすることができました。

一区切り。

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