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2020年1月12日 (日)

「シリア内戦」② 政権に反対する者は断固討伐するほかない

  

今日は令和2年1月12日。  

  

シリア内戦」(安武塔馬著/あっぷる出版社)より

引用していきます。付箋を貼ったところ全部では、

とても書き写せませんので、厳選していきます。

  

「アラブの春」の経緯も結果も、国によって様々で、その多く

は悲惨な結果をもたらした。だから「アラブの春」を「アラブ

の民衆が、変革を求めて強権体制を打倒した」現象であると、

と単純に美化し賞賛するわけにはいかない。

しかし、それでも筆者は「アラブの春」に、歴史的意義をみる。

生まれた時から、同じ支配者が君臨する社会。

縁故主義や官僚の汚職・不正が蔓延し、それを批判しようもの

なら、誰かに密告され、たちまち社会的に、時には肉体的にも

抹殺される。

改革を実現するための民主的な制度はない。選挙はすべてが出

来レースで、何度やっても国民の90%以上の圧倒的多数の支

持で、体制が承認される社会。

そんな社会で生まれ育ち、経済的にも、社会的にも何の夢も希

望も持てない若者たちが、怒りを爆発させ、恐怖を振り払って、

抗議の声を上げる。そして、絶対に越えられないと思ってきた

壁を突き崩す。

独裁や強権政治が、民衆の意志によって倒れ得る、ということ

を示した点は、「アラブの春」の功績といえると思う。「倒し

た後をどうするか考えていない」と第三者が批判するのは簡単

だ。

(36p)

  

もう「アラブの春」という言葉が、

昔の言葉になってしまっていました。

この本で思い出させてくれました。

これがシリアでも起こったのです。

   

(シリアの)アサド政権は敵対勢力に容赦はしない。国際世論

の批判を気にするイスラエルなどと違い、アサド政権は状況次

第で桁違いの殺戮を平気で遂行する。

(39p)

  

アサド政権はまったくブレていない。

「政権に反対する者はすべからく外国の支援を受けたテロリス

トであるから、断固討伐するほかない、諸外国はアサド政権を

倒す陰謀をめぐらしており、そのためにテロリストを利用して

いる」

(45p)

  

  

カタールの独自外交の象徴が、アラブ衛星テレビの代名詞とも

なったアル・ジャジーラ放送の設立と経営だ。アル・ジャジー

ラは、BBCやCNNなど西側メディアで活躍していたレバノ

ンやシリア、パレスチナ等出身のスター記者を集め、1996

年に誕生した。(中略)エジプトやサウジなど、強権的な支配

体制の国にとって、タブーを踏み越え追及するアル・ジャジー

ラの報道スタイルは目障り極まりなく、何度も当局との間でト

ラブルを起こしている。逆に翼賛的な報道機関しかない国々の

国民は、「反権力」的なアル・ジャジーラの報道姿勢に共感し

た。アル・ジャジーラの登場は、SNS普及に先立つアラブ世

界における最初の情報革命だったといえるかもしれない。

(68~69p)

  

  

民主的改革を求める声が、リビアやバハレーン、そしてシリア

へと拡大していくと、オバマ政権の対応には戸惑いがみえてく

る。どの国も国内情勢が複雑で、政権が倒れた場合、民主的な

政体がそれに取って代わり、政治治安情勢を安定させるという

展望がはっきりしなかったためだ。

(72p)

  

事は単純ではなかったのです。

  

  

イランはパハレヴィー王制のもとで世俗的な国家作りを進めて

きた。そこに、1979年のイスラム革命が起きた。突如シー

ア派法学者が支配する神権政治の国に生まれ変わった。その初

代最高指導者、すなわち「アル・ファキーヒ」が、ア―ヤトッ

ラーのルーホッラー・ホメイニ師である。

(79p)

  

そのイランとシリアは手を組みます。イランとシリアの間にあ

るイラクでは、当時サッダーム・フセインが支配していて、両

国とも脅威に感じていたからです。

  

  

かつて米国はアフガニスタンに侵攻したソ連の野望を挫くため、

サウジやパキスタンの情報機関と協力して、アラブ人ジャーヒ

ディーンを軍事支援した。オサーマ・ビン・ラーディンに代表

されるこのジャーヒディーンが、ソ連のアフガニスタン撤退後

に、今度はイスラム教の聖地サウジアラビアに進駐した米国を

敵視し、「アル・カイーダ(AQ)を組織したことは周知の事

実である。

(112p)

 

「アル・カイーダ(アル・カイダ)」の出自もわかりました。

  

  

つづく

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