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2019年12月28日 (土)

石炭火力を考える/石炭火力の勉強を始める

  

今日は令和元年12月28日。

  

昨日予告したこと。

この記事を全引用したいです。

日本は石炭火力で多くの人々の命を救える  

日本は石炭火力で多くの人々の命を救える 

池田 信夫 

(池田 信夫:経済学者、アゴラ研究所代表取締役所長)

 アメリカの雑誌『タイム』の「今年の人」には、スウェーデンの少女、グレタ・トゥーンベリが選ばれた。科学者でも専門家でもない(高校にさえ行っていない)子供がこれほど注目を浴びるのは、地球温暖化問題が科学ではなく宗教になったためだろう。宗教に必要なのは事実や論理ではなく、わかりやすいアイコンである。

 世界の多くの人が環境問題に関心をもつのは悪いことではないが、宗教は信じるか信じないかの二者択一になりやすい。かつて環境運動のスローガンは「原発か反原発か」だったが、今は「石炭か反石炭か」になりつつあるようだ。 

※「温暖化問題が宗教」というのはなるほどと思います。グレタさんの国連での発表は感情的すぎました。なぜ日本は世界から非難されても、石炭火力を進めるのかが不思議でした。今回の記事ですこし理解できてきました。

   

化石燃料が多くの人の命を救う

 12月に開催されたCOP25(国連気候変動枠組条約締約国会議)では、石炭火力発電所を増設する方針を示した日本の小泉進次郎環境相が環境NGOの批判を浴びた。環境NGOが「化石賞」を出したと日本のマスコミが騒いだが、これはCOPの開催中、毎日やっている騒ぎで、報道するような話ではない。

COPで演説したグレタは、IPCC(気候変動に関する政府間パネル)のデータを引用して「もう人類には残された時間がない」と主張し、「地球の平均気温が1℃上がれば気候危機で人々が死んでゆく」と警告したが、IPCCはそんな報告を出していない。 IPCCが11月に発表した海洋・雪氷圏特別報告書(SROCC)では、従来の気温上昇予測(第5次評価報告書)にもとづいて海面上昇がどうなるかを予測している。

 それによれば、今世紀末までに地球の平均気温が今より4.8℃上昇する最悪のシナリオでは、北極や南極の氷が溶け、2100年に世界の海面は最大80cmぐらい上昇する。これによって熱帯では洪水が増え、太平洋の小島が水没する。サイクロンや豪雨が増え、海洋熱波は20倍以上に増えるという。

 このように被害は熱帯に集中している。先進国で考えられるのは、最悪でも毎年1cmぐらいの海面上昇で、これは堤防で対応できる。そのコストは温室効果ガスの削減よりはるかに小さい。日本にとっては、地球温暖化問題は緊急でも最優先でもないのだ。

 気温の1℃上昇で「人々が死んでゆく」というのも逆である。100年前には人類は今よりはるかに貧しく、寿命は短かった。冷暖房や輸送や食糧によって、平均寿命は2倍以上に伸びた。化石燃料は、過去25年間だけでも10億人以上を貧困から脱却させ、命を救ったのだ。

※「化石燃料は、過去25年間だけでも10億人以上を貧困から脱却させ、命を救ったのだ」そういう見方もあるのかと思って読みました。したがって、今だ化石燃料の恩恵を受けていない熱帯の貧困国にその恩恵が行くべきである。

 

 

災害の被害が増えた原因は温暖化ではない

 東京の平均気温は、最近100年間で3℃上がった。そのうち地球温暖化の効果は0.74℃で、残りの2℃以上は都市化によるヒートアイランド現象だが、それに気づいている人はほとんどいない。

 IPCCの平均的な予想では、地球の平均気温は今後80年で3℃ぐらい上がると推定されている。これは過去100年の東京と同じだが、これによって異常気象が増えた事実はない。むしろ日本の災害による人的被害は大きく減った。

 1959年の伊勢湾台風では5000人以上の死者が出たが、最近では2018年の西日本豪雨で260人が死亡したのが最大である。その原因は災害が減ったからではなく、インフラが整備されたからだ。経済的被害は増えたが、それは住宅が都市に密集したからだ。

※今年の台風15号、台風19号の被害が私には強く印象に残ります。温暖化による今までにない台風であって、これからも毎年同規模の台風が来るものと予想します。温暖化を止めることが難しい今、インフラによって少しでも防ぐ発想は大事だと思います。千曲川が決壊した場所についても、地元住民はさらなる堤防の強化を訴えていました。そして、決壊した堤防の下には浸透性の高い砂利層があった可能性も出てきています。細かく周辺の防災インフラを点検し強化する必要があります。

 

 

 熱帯で自然災害の人的・経済的被害が増えた原因は温暖化ではなく、都市への人口集中と貧弱なインフラである。地球規模でみると、SROCCも指摘するように熱帯のインフラ整備は不足しており、これが洪水などの被害が増えた最大の原因である。

 つまりグローバルにみると、地球温暖化は熱帯の防災問題なのだ。その被害は再生可能エネルギーで防ぐことはできない。電力は1次エネルギー供給の25%なので、いくら再エネを増やしてもエネルギー全体の数%である。

※「地球温暖化は熱帯の防災問題」とするのは、新しい視点です。熱帯地域のインフラが整ってきたら、被害が減る可能性があります。それは中村哲さんがやっていたように、用水路の設置によって、温暖化による砂漠化が緩和され、農業ができるようになりました。インフラにより被害は減るのです。温暖化を止めることは難しく、温暖化によって、今までにない状態になることへの備えとして、熱帯ではインフラが必要なようです。

 

 世界の温室効果ガスの半分以上を出す途上国(中国やインドを含む)が化石燃料の消費を増やすかぎり温暖化は止まらない。彼らが豊かになってインフラ整備することが、最善の温暖化対策である。

新しい石炭火力はエネルギー効率を上げる

 では日本は何をすべきだろうか。今すぐやるべきなのは、原発の再稼働である。特に原子力規制委員会がOKを出した柏崎刈羽原発を動かさない合理的な理由はない。これを再稼働するだけで、首都圏のCO2排出は大きく減らすことができる。

 日本が石炭火力を増やす最大の理由は、このように原発の再稼働が予定通り進まないことだ。福島第一原発事故から9年近くたっても、動いている原発は9基だけ。このままでは、2030年に温室効果ガスを26%削減するというパリ協定の約束も実現できない。

※ここがやはり納得ができない。原発稼働は、リスクが大きいと考える。他の発電の充実を考えたい。たとえば地熱発電である。 

  

 この状況で可能な次善の対策は、古い設備を新しい設備に代えて化石燃料のエネルギー効率を上げることだ。次の図でもわかるように、1973年から45年間に日本のGDP(国内総生産)は2.6倍になったが、エネルギー消費量は1.2倍。エネルギー効率(GDP/エネルギー消費量)は2倍以上になり、世界最高水準である。

Bbynakm © JBpress 提供 最終エネルギー消費量と実質GDPの推移(経済産業省調べ)   

エネルギー消費量は、2004年をピークとして絶対的に減っている。特に産業部門のエネルギー効率が上がったことが、温室効果ガス排出量が減った最大の原因である。新しい効率のよい設備に変えて燃料を節約すれば、温室効果ガスも減るのだ。

※ここが日本のすごいところだと思います。エネネルギー効率のよい設備に切り替えていくことで、燃料を節約する発想がいい。石炭を使う使わないのではない方法が見えてきます。 

   

  

 これは石炭火力でも同じである。ガスタービンの排ガス熱を再利用して蒸気タービンを回すIGCC(石炭ガス化複合発電)という最新技術を使えば、燃料効率は50%になり、発電量あたりの石炭の消費量は、現在の石炭火力に比べて20%削減できるという。当然CO2の発生量も20%減るわけだ。

 それが日本が新しい石炭火力を開発し、その技術を輸出する理由である。アジアでは、まだ電力が普及していないため、薪を燃やして暖房などに使っている貧しい国も多い。 そういう国で不安定な再生可能エネルギーは実用化できない。

 インフラも食糧も十分でない世界の圧倒的多数の人々にとって最大の問題は、100年後の地球の平均気温を下げることではなく、貧困から脱却することである。日本は石炭火力を輸出して途上国のエネルギー効率を上げ、彼らの命を救うことができるのだ。

 
※この文章の、ここの部分に特に賛成します。技術を上げるなら、エネルギー効率を上げる技術です。エネルギー効率を上げた石炭火力を海外に輸出して、貧困国の生活を豊かにするのは、いいことだと思います。
  
  
  
 
 
以上、今回の池田さんの文章を読んで、自分の考え方をまとめたい。
  
・日本での原子力発電はやはりやめるべきだし、海外に輸出するのもやめるべきです。リスクが大きいからです。
・石炭を使う使わないの議論は違っていて、石炭であれ石油であれ、発電効率を上げる技術をアップすることで、温室効果ガス排出の量を減らせるという発想が必要です。
・エネルギー効率の良い設備によって、温室効果ガス排出の量を減らす発想も必要であり、日本が得意としていることではないでしょうか。
・気候変動による被害は、特に熱帯地域で予想されます。それは災害だけでなく、干ばつによる農業被害もあります。防災インフラだけでなく、普段の生活ができるような用水路などのインフラが必要です。中村哲さんたちがやっていたような。
・貧困国にも発電所が必要です。発電効率を上げた発電所を建設し、インフラが整った中での豊かな生活ができるようにすべきです。中村哲さんが願ったように、豊かな生活ができたら、戦争はへります。
・日本人としては、胸を張りたい。石炭火力発電のことを勉強して、けっして後ろ向きの動きではないことを証明したい。  
  
 
 
石炭火力の勉強がしたくなりました。読書です。
  
さっそく本を予約したり、注文したりし始めました。
 
 

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