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2018年9月17日 (月)

火が常に灯されている話/延暦寺の「不滅の法灯」

今日は9月17日。

 

前投稿に続いて「火が常に灯されている話」

 

今回は比叡山延暦寺の「不滅の法灯(ふめつのほうとう)」のこと。

 

そのことを扱った番組は、3月13日放映の

京都ぶらり歴史探訪SP 都に輝く偉人たちの物語」(BS朝日)です。

  

「不滅の法灯」に関係する最澄の話を聞き書きします。

  

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ナレーター:伝教大師(でんぎょうだいし)最澄。

  空海とともに唐に渡った日本の天台宗の開祖。

  (中略)

  京都の北東にそびえる比叡山。

  京の人々から長きに渡り信仰を集める聖なる山です。

  その山頂にあるのが、芝翫(しかん)さんが心動かされた

  延暦寺芝翫さん=中村芝翫 番組の案内人)

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延暦寺を案内してくれる方↓

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延暦寺総務部主事の磯村良定さん。

 

文殊楼という門をくぐると、根本中堂が見えてきます。

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クレーンが見えます。

現在、根本中堂は改修中。

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改修工事が終わって完成するのが、平成26年3月。

長期間の改修工事です。

  

改修前の根本中堂↓

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ナレーター:門をくぐり、長い階段を下りた先に見えるのが、

  根本中堂(こんぽんちゅうどう)。

  通常のお寺で言う本堂に当たこの建物こそ、

  延暦寺でもっとも大切な場所。

  (中略)

  今から1200年以上前、平安時代の僧侶、

  伝教大師最澄が延暦寺の始まりとなる小さなお堂を建てました。

  それが根本中堂となり、今なお、寺の中心的な役割を果たしているのです。

  (中略)

  (根本中堂の)中には、荘厳な空気が張り詰めています。

Rimg0396  

上の1枚も含めて、今から載せる写真は、

実際に行っても現場で撮ることができないものです。

「撮影禁止」の場所です。

この番組の映像は貴重です。

  

ナレーター:正面にしつらえられた宮殿(くうでん)の中にあるのが、

  延暦寺の本尊。最澄自身が刻んだと伝わる薬師如来は秘仏とされ、

  手を合わせることができるのは、代わりに置かれた前立(まえだち)。

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ナレーター:現在、(秘仏の)御開帳の予定はありません。

  本尊の薬師如来以外にも、最澄の時代から大切に守られ、

  受け継がれてきたものがあると言います。

  それはいったい?

 

磯村さん:薬師様の前に3つの燈籠が並んでありますけど、

  私たちはそれを「不滅の法灯」と呼ばせていただいております。

  伝教大師様がご自身で灯されました灯りだと言われております。

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ナレーター:最澄が薬師如来を祀った時に灯したという「不滅の法灯」

  それ以来、1200年以上にわたって、その火を絶やさないように

  僧たちが守ってきたんです。

 

磯村さん:非常に大きなお皿の中に油が入っておりまして、

  それに灯芯(とうしん)という芯があります。

  その芯を取り換えて油をつき足すというただそれだけの

  作業なので、誰でも簡単にできるんですけど、

  誰がこれをすると当番が決まっていないんですね。

  ですので、比叡山にいる者は全て、きちんと

  「不滅の法灯」が消えずに伝わっているんかどうか、

  常に気にしないといけないのです。

  だから、昔から延暦寺のお坊さんは、

  「油を断つな」と言うのが、それぞれの心の戒めとして、

  合言葉のようになってたそうで、

  その「油を断つな」というのが、

  「油断」という言葉の語源になっているのではないかと

  言われています。

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以上が、火が常に灯されている「不滅の法灯」の話。

ただこの延暦寺の「不滅の法灯」が一度だけ消えたことがあるそうです。

そのことを書いたサイトがここ↓

多摩湖畔日誌 「不滅の法灯」と「油断大敵」 (2010年の記事)

一部引用します。

  

比叡山の「不滅の法灯(ほうとう)」は、

天台宗を開いた最澄(さいちょう)の時代に始まり、

以来1200年以上にわたって途絶えることなく灯っている。

この「不滅の法灯」は、山形県の通称・山寺「宝珠山・立石寺」に

分灯されていることをご存じだろうか。

そして実際は、比叡山も山寺も戦国時代に一回づつ消えたことがあるが、

分灯していたことが幸いし、引き続き法灯を守り続けている。

油断大敵」の語源は種々あるが、この「不滅の法灯」を消さないように、

毎日、「菜種油」を注ぎ足している僧侶達の緊張感を思うと理解し易い。

光は、ただ漫然と守られている訳ではない。

天台宗を開いた最澄(さいちょう)は、

この法灯に

「明(あき)らけく後(のち)の 仏の御世までも 

光りつたへよ 法のともしび」と詠まれた。

仏教の難しい話は分からないが、

きっと、この光には後の世まで永遠に照らして欲しいとの

願いが込められているのだろう。
しかし、この法灯も一度づつ消えたことがある。 

いずれもだ。

「比叡山」は1571年(元亀2年)、織田信長の叡山焼き討ちで全山が消失。

山寺」は1521年(大永元年)、立石寺が伊達氏に味方したことで、

最上氏の軍勢に攻められ焼失している。

ここでも法灯を守り続けることの難しさと、

万が一に備える大切さ、そして「油断大敵」を教えている。

なお「法灯」は、現在、岩手の中尊寺等数カ所に分灯されている。

一箇所集中は危険であり、リスクの分散は大切なことだ。

 

以上です。

体育祭開会式で同僚の社会科の先生と話したことで、

ささやかな好奇心が湧き、いい道草ができました。

 

次は「好奇心」のことを書きます。

  

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