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2017年11月12日 (日)

「北斎インパクト」/バカラ 1878年ホイールの開発

 

今日は11月12日。

  

前投稿に引き続いて、

11月4日放映の「北斎インパクト~世界が愛した超絶アート~」より。 

  

聞き書きします。

  

ナレーター:新たなデザインへの挑戦は、ガラス加工の技術にも

   大きな変革をもたらしました。

   

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ナレーター:パリから東に300㎞。

   ロレーヌ地方、バカラ村の工房を訪ねました。

 

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ナレーター:バカラは今から250年あまり前、

   フランス王ルイ15世から製造を許されたことに始まる

   由緒あるガラス工房です。

  

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ナレーター:高く評価されてきたのが、カッティング。

   表面を削り取って、形を整えていく技術です。

   

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ナレーター:北斎と出会うまでは、

   直線と曲線によるシンプルな造形が特徴でした。

   一方、北斎の影響を受けた新たなデザインには

   繊細な自然な描写が欠かせません。

   しかし、それをガラスの表面に施すことは、

   当時の技術では不可能でした。

  

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ミカエル・レルシュさん:北斎の装飾性のある生き生きとした

   線描を何とか表現したいと思いました。

   そのために私たちはこれまでにない、

   新しい技術を特別に開発する必要があったのです。

  

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ナレーター:試行錯誤を繰り返した職人たち。

   1878年。ついに「ホイール」と言われる

   ガラスを研磨する道具を開発します。

  

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ガラス職人:丸い形や角張ったものなどがあってね、

   15種類ものホイールを使い分けるんだ。

  

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ナレーター:ホイールを使い分けることで、

   部分ごとに削り取る深さを変えることができます。

   無色透明なガラスでも表現の幅が一気に広がったのです。

  

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ガラス職人:深く削ると前に見え、浅く削ると奥にあるように見えます。

   輪郭は浅く削り立体感をつけます。

  

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ナレーター:よっく見てください。

   深く彫った葉っぱの部分は手前に見え、

   浅く彫った木の枝は奥に見えます。

 

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Rimg1193 (上の写真:手前のガラス面にピントが合っています。

 下の写真:向こう側のガラスにピントが合うことで、魚が浮かび上がってきます。

 「竹林の不二」と同じような手前の景色の向こうに見える景色という構図)

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ナレーター:北斎に触発され、北斎をも超えようとめざしたガラス職人たち。

   その情熱が生み出した技術革新は、

   ヨーロッパにおけるガラス工芸を飛躍的に進化させたのです。

  

ミカエル・レルシュさん:北斎の芸術性と

   私たちの開発した技術とが融合することによって、

   自然界にあるものを生き生きと表現できるようになりました。

   日本とフランスの文化的な架け橋ができたのです。

   

   

ホイールの開発、そしてそのホイールを使った技法。

深く削れば手前にあるように見え、

浅く削れば奥にあるように見える。

確かにそうでした。

こういう一つ一つの発見が、

きっとうれしかっただろうなと共感できます。

こういう視点で「バカラ」のガラス製品を

生で見てみたいと思うようになりました。

  

  

社会科の教科書では、

北斎の絵がヨーロッパの芸術家に影響を与えたとありましたが、

芸術家にはガラス職人・ガラスデザイナーも

含まれていたのですね。いい勉強になった番組でした。

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