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2016年10月16日 (日)

カルチス・モデルE号は、少しずつ高く遠くに飛び始めた

 

今日は10月16日。

  

地元の図書館からボランティアの方が、

学級に本を借りてきてくれる話は以前書きました。

今月は長谷川義史さんの絵が載った本を20冊ほど借りました。

その中の1冊↓

350_ehon_30141 EhonNavi

ヒコーキざむらい

(今江祥智:文/長谷川義史:絵/フェリシモ出版)

飛行機が苦手なミチですが、

飛行機で旅するのが大好きなおばあちゃんがいます。

83歳になるおばあちゃんが飛行機好きなのは、

おばあちゃんのお父さんゆずりなのだそうです。

ミチからしたらひいおじいちゃんというのは、

飛行機に乗ったことのある数少ないお侍さんなのだそうです。

3mばかりしか飛ばない飛行機でしたが、

乗るかと誘われて、一緒にいたさむらいたちの中で、

「イエス」と答えたのは、ひいおじいちゃんだけだったのです。

 

次からは本文の引用です。

  

ひいおじいちゃんは、空たかーくまいあがるつもりでいたのに、

そのヒコーキは、ちょいとうかんでストンとおっこちてしまった。

ーなんでもカルチス・モデルEとかもうしよったわ。

 ふむ、口ほどでもないプレインでござったが、みども、

 たしかにちゅうにうきもうした。ふむ、鳥のごとくにな・・・・。

というのが、ひいじいちゃんの口ぐせで、

さいしょはだれもが、ヒコーキにのったというから

耳をそばだててきくのだが、

たったの3メートルうかんだだけというのをきくと、

なァんだ・・・・・と思って、もうきいてはくれないのだった。

そのたった3メートルしかとばないヒコーキにのろうというサムライが、

だれひとりいなかったのにー

と、ひいじいちゃんはざんねんむねんがるが、

そのことはもういいたくなかった。

そしてやがて、ひいじいちゃんは、むすめにしか、

そのときの話をしなくなった。

ちょんまげ頭の日本人として、

そのころただひとりのヒコーキにのってとんだ男ーが、

じぶんのとうさんだったことがうれしくて、

むすめ=ばあちゃんは、そのときのようすを何度でも

ききたいとせがんだ。

くり返し話すうち、ひいじいちゃんの頭のなかで、

カルチス・モデルE号は、

鳥がはばたくように、少しずつとびはじめ、

3メートルが30メートルに、

そのうち300mに、それから高さも3メートルから100mにふくらみ、

ひいじいちゃんと、アメリカ人をのせて空高く

まいあがるようになった・・・・・・。 (12~16p)

Epson715 (16~17pの絵の一部)

幼いばあちゃんは、その話をきくのが好きだった。

心のなかで、

(もっともっと高くたかーくあがれ・・・)

と思っていたから、とうさんが話のなかで

ヒコーキを少しずつ高く高く遠くまでとばせていっても、

本気できき、大きくうなずき、ひとみをかがやかせた。そして、

(いまに大きくなったら、わたしもとうさんみたいにヒコーキにのって

空高くまいあがるのよ・・・・)

と、むねのおくで決心していた・・・・・。 (18p) 

  

いいでしょ、この親子の会話。

親子の会話の中、飛行機はぐんぐん高く遠くまで飛びました。

それが気持ちいい絵本でした。

文章も絵もよかった1冊です。お薦めです。

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